哲学・思想・心理学のクイズ一覧
全37問のクイズを収録
Q. 伝統的な価値観や道徳に普遍的な意味を認めず、「全てに意味はない」とする思想を何というでしょう?
A. ニヒリズム
(にひりずむ)
解説を見る
ラテン語の「無」を意味する「nihil」が語源で、日本語では虚無主義と訳されます。19世紀ロシアの作家ツルゲーネフの小説『父と子』で広く知られるようになった概念です。
Q. 軍事力や経済力ではなく、文化や価値観の魅力で他国に影響を与える外交戦略を何というでしょう?
A. ソフトパワー外交
(そふとぱわーがいこう)
解説を見る
ハーバード大学のジョセフ・ナイ教授が提唱した概念で、強制や報酬ではなく、魅力や説得によって望む結果を得る力を指します。文化交流、教育支援、メディア発信などが主な手段となります。
Q. 実際に調査することが難しい数量を、限られた情報から論理的に概算する思考法を何というでしょう?
A. フェルミ推定
(ふぇるみすいてい)
解説を見る
物理学者エンリコ・フェルミに由来する推定方法です。「東京都内にマンホールは何個あるか」など、正確な数値を知ることが困難な問いに対し、いくつかの仮定を立てて段階的に計算することで、現実的な概算値を導き出します。
Q. デジタル技術に頼らず、人間の心理や発想の工夫によって問題を解決する手法を何というでしょう?
A. アナログハック
(あなろぐはっく)
解説を見る
アナログハックは、技術的な解決ではなく、人間の心理や認知の特性を利用したり、物理的な工夫や発想の転換によって問題を解決する手法を指す言葉です。身近な例として、エレベーターの待ち時間への不満を鏡を設置することで解消するといった方法があります。
Q. 誰にでも当てはまる曖昧な事柄を、自分特有と捉えてしまう心理学的現象を何というでしょう?
A. バーナム効果
(ばーなむこうか)
解説を見る
バーナム効果は、星座占いなどで「あなたは優しい性格ですが、時に頑固な一面もあります」といった一般的な記述を、自分特有の性質だと錯覚してしまう現象です。個人の性格を診断するかのような準備行動が伴うことで、この効果がより強まります。
Q. 達成できた事柄よりも、達成できていない事柄や中断している事柄の方を強く意識してしまう心理現象は何でしょう?
A. ツァイガルニク効果
(つぁいがるにくこうか)
解説を見る
ツァイガルニク効果は、ツァイガルニック効果、ゼイガルニク効果、ゼイガルニック効果とも表記されます。未完了のタスクが記憶に残りやすいという特性から、広告やマーケティングなどの分野でも応用されています。
Q. 他者から行為などを強く禁止されると、かえって欲求が高まる心理現象を何というでしょう?
A. カリギュラ効果
(かりぎゅらこうか)
解説を見る
1980年の映画『カリギュラ』に由来する日本固有の用語です。心理学における心理的リアクタンスの一種とされ、カリギュラ現象とも呼ばれます。禁止されることで逆に興味や関心が増大する現象を指します。
Q. 幼児が描く絵で、頭から直接足が生えた人物画のことを何というでしょう?
A. 頭足人間(頭足人)
(とうそくにんげん(とうそくじん))
解説を見る
頭足人間(とうそくにんげん、または頭足人 )は、幼児の初期の描画に現れる特徴的な人物画です。頭(顔)から直接足が生えた形で描かれ、胴体が省略されています。タコやイカなどの頭足類に構造が似ていることから、この名称で呼ばれています。
Q. 試行回数を増やすほど相対度数が理論上の確率に近づくという、確率論の基本定理を何というでしょう?
A. 大数の法則
(たいすうのほうそく)
解説を見る
確率論における基本的な定理の一つで、同じ試行を繰り返すことで経験的な相対度数が真の確率値に収束することを示します。ベルヌーイによって証明され、統計学の理論的基礎となっています。
Q. アンケートで「非常に同意する」から「全く同意しない」までの段階で回答を求める、アメリカの心理学者の名前に由来する尺度は何でしょう?
A. リッカート尺度
(りっかーとしゃくど)
解説を見る
レンシス・リッカートが1932年に開発した心理測定手法です。態度や意見を測定する際に広く用いられ、通常5段階または7段階の選択肢で構成されます。各選択肢に数値を割り当てて定量的な分析が可能になります。
Q. 青年期に「自分とは何者か」「自分はどう生きるべきか」という問いに対する答えが見出せず、自己の存在価値や役割について深刻な混乱や喪失感を抱く心理的危機状態を、心理学者エリクソンが提唱した何と呼ぶでしょう?
A. アイデンティティクライシス
(アイデンティティクライシス)
解説を見る
アイデンティティクライシスとは、自分が何者であるかという自己同一性を見失い、心理的に混乱した状態を指します。心理学者エリク・H・エリクソンが提唱した概念で、特に青年期に起こりやすいとされています。進路選択や人間関係の変化などをきっかけに、自己の価値観や役割について深く悩む状態です。
Q. くすぐったい感覚を表す言葉で、照れくさい気持ちや気恥ずかしさを表現する際にも使われる、やや古風な響きを持つ日本語は何でしょう?
A. こそばゆい
(こそばゆい)
解説を見る
「こそばゆい」は、くすぐったい感覚を表す言葉で、「こそばす(くすぐる)」という動詞に由来します。物理的なくすぐったさだけでなく、照れくさい気持ちや恥ずかしさを感じる心理状態を表現する際にも使われる、情緒豊かな日本語です。
Q. スマートフォンを持っていないことや、圏外にいることで不安を感じる症状を何というでしょう?
A. ノモフォビア
(ノモフォビア)
解説を見る
ノモフォビアは「No Mobile Phone Phobia」の略で、スマートフォンが手元にないことや、電波が届かない状況に対して強い不安や恐怖を感じる現代特有の症状です。常に連絡が取れる状態でいたいという心理や、SNSへの依存が背景にあると考えられています。デジタル社会における新しい心理的問題として注目されています
Q. スマートフォンなど、携帯電話が振動していないのに、振動したように感じてしまう現象を何というでしょう?
A. ファントムバイブレーション
(ファントムバイブレーション)
解説を見る
ファントムバイブレーションは、スマートフォンなど携帯電話が実際には振動していないのに、振動を感じてしまう現象です。頻繁に通知を確認する習慣により、脳が過敏に反応して誤認識を起こすと考えられています。現代のデジタル社会特有の心理現象として注目され、スマホ依存との関連も指摘されています。
Q. 長期間にわたる過度なストレスや過労により、心身ともに疲れ果てて意欲を失う状態を、「燃え尽き症候群」とも呼ばれる英語で何というでしょう?
A. バーンアウト
(バーンアウト)
解説を見る
バーンアウトは、仕事や活動に献身的に取り組んできた人が、過度なストレスや疲労により心身のエネルギーを使い果たし、意欲や関心を失ってしまう状態です。「燃え尽き症候群」とも呼ばれ、特に対人援助職や責任の重い職業で起こりやすいとされています。
Q. 物事を決断できずに躊躇したり、ためらったりする様子を表す慣用句は何でしょう?
A. 二の足を踏む
(にのあしをふむ)
解説を見る
二の足を踏むとは、物事を決断できずに躊躇する様子を表す慣用句です。一歩目は踏み出したものの、次の二歩目がなかなか踏み出せない状態から生まれた表現で、迷いや不安から行動をためらう心理状態を意味します。
Q. 軍隊を民主的に選ばれた政治家や文民が統制し、軍事力の行使を民主的にコントロールする原則を何と呼ぶでしょう?
A. シビリアンコントロール
(シビリアンコントロール)
解説を見る
シビリアンコントロールとは、日本語で「文民統制」と訳され、軍隊や防衛組織を民主的に選ばれた文民(軍人ではない政治家)が統制する原則のことです。この制度は、軍部が独走して戦争を引き起こすことを防ぎ、軍事力の行使を民主的な手続きのもとで管理することを目的としています。第二次世界大戦前の日本では軍部の暴走が戦争につながった反省から、日本国憲法では内閣総理大臣や防衛大臣は文民でなければならないと定められています。民主主義国家における重要な原則として、世界の多くの国で採用されており、平和と民主主義を守るための仕組みとして機能しています。
Q. 既に支払ってしまい、取り戻すことができない費用や時間のことを、経済学や心理学では何と呼ぶでしょう?
A. サンクコスト
(サンクコスト)
解説を見る
サンクコストとは、既に支払われて回収不可能となった費用や時間のことです。直訳すると「埋没費用」を意味し、過去に費やしたお金や時間がどれだけ大きくても、今後の意思決定には本来影響を与えるべきではないという経済学の重要な概念です。しかし人間は「これまでの投資を無駄にしたくない」という心理が働き、合理的でない判断をしてしまうことがあります。これを「サンクコストの誤謬」と呼びます。例えば、面白くない映画でも「チケット代と2時間がもったいない」と最後まで観てしまうのが典型例です。
Q. 自宅や職場・学校以外の、カフェや図書館など、リラックスして過ごせる第三の居場所を何と呼ぶでしょうか?
A. サードプレイス
(サードプレイス)
解説を見る
サードプレイスとは、アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが提唱した概念で、自宅(ファーストプレイス)や職場・学校(セカンドプレイス)以外の、心地よく過ごせる第三の居場所のことです。カフェ、図書館、公園、コミュニティセンターなどが該当し、人々が気軽に集い、リラックスしながら交流できる場所を指します。サードプレイスは精神的な充足感や地域コミュニティの形成に重要な役割を果たすとされています。現代では在宅勤務の普及により、仕事とプライベートの境界が曖昧になったことで、サードプレイスの重要性がさらに高まっています。スターバックスなどのカフェチェーンは、この概念を取り入れて「第三の場所」としての空間づくりを行っており、現代のライフスタイルに欠かせない要素となっています。
Q. 精神の安定や心の平穏に深く関わり、「幸せホルモン」とも呼ばれる、脳内で働く神経伝達物質は何でしょうか?
A. セロトニン
(セロトニン)
解説を見る
セロトニンとは、脳内で働く神経伝達物質の一つで、精神の安定や心の平穏に深く関わることから「幸せホルモン」とも呼ばれています。感情のコントロール、睡眠の質、食欲の調整などに重要な役割を果たしており、セロトニンが不足すると、うつ病や不安障害、不眠症などの精神的な不調を引き起こす可能性があります。日光を浴びること、適度な運動、バランスの取れた食事(特にトリプトファンを含む食品)などによってセロトニンの分泌が促進されることが知られています。現代社会ではストレスや生活習慣の乱れによりセロトニン不足に陥りやすく、メンタルヘルスの観点から注目されている物質です。