生物のクイズ一覧
全48問のクイズを収録
Q. メスがオスを背負う姿からその名が付いた、東アジアに分布するバッタは何でしょう?
A. オンブバッタ
(おんぶばった)
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オンブバッタはバッタ目オンブバッタ科に分類される昆虫です。体長はオスが約2cm、メスが約4cmとメスの方が大きく、交尾の際にメスがオスを背負う姿が「おんぶ」に見えることから名付けられました。イネ科植物やマメ科植物の葉を食べます。
Q. 直接的な害はないが見た目などから嫌われる、ヤスデやゲジなどを総称して何害虫というでしょう?
A. 不快害虫
(ふかいがいちゅう)
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不快害虫は英語で「nuisance pest」と呼ばれます。衛生害虫や経済害虫とは異なり、病原体の媒介や農作物への被害などの実害はありませんが、人間に不快感を与えることから害虫として扱われます。
Q. 「フチベニベンケイ」「カゲツ」などの別名を持つ、硬貨に似た葉を持つベンケイソウ科の多肉植物は何でしょう?
A. カネノナルキ
(かねのなるき)
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南アフリカ原産の多肉植物で、学名はCrassula ovataです。葉が硬貨のような丸い形をしていることから「カネノナルキ」という名前が付けられました。乾燥に強く、室内観葉植物として人気があります。
Q. 19世紀にグレゴール・メンデルがエンドウマメの交配実験から導き出した「メンデルの遺伝法則」を構成する3つの法則のうち、優性の法則、分離の法則と並んで挙げられる、複数の形質が互いに影響を及ぼさずに遺伝することを示す法則を「何の法則」というでしょう?
A. 独立の法則
(どくりつ)
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独立の法則(または独立遺伝の法則)は、1865年にオーストリアの修道士グレゴール・メンデルによって発見されました。この法則は、異なる形質を決定する遺伝子が互いに独立して次世代に伝わることを示しています。メンデルはエンドウマメの種子の形(丸orしわ)と色(黄or緑)という2つの形質を同時に追跡し、これらが互いに影響せず独立して遺伝することを発見しました。具体的には、雑種第二代(F2)で9:3:3:1の分離比が現れることを確認しました。ただし、この法則が成立するのは遺伝子が異なる染色体上にある場合、または同じ染色体上でも十分離れている場合に限られます。連鎖している遺伝子では独立の法則は成立せず、これは後のトーマス・モーガンの研究で明らかになりました。メンデルの業績は当時は注目されませんでしたが、1900年に再発見され、遺伝学の基礎となりました。
Q. ロシアの生理学者イワン・パブロフが、ベルの音を聞かせた後に餌を与える実験を繰り返すことで、ベルの音だけで唾液が分泌されるようになることを発見した、条件反射の研究で有名な実験を何というでしょう?
A. パブロフの犬
(ぱぶろふのいぬ)
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パブロフの犬は、ロシアの生理学者イワン・パブロフ(1849-1936)が行った条件反射に関する有名な実験です。犬にベルの音を聞かせた直後に餌を与えることを繰り返すと、やがてベルの音を聞いただけで餌がなくても唾液が分泌されるようになることを発見しました。この現象は「条件反射」または「古典的条件づけ」と呼ばれ、本来無関係だった刺激(ベルの音)が、特定の反応(唾液分泌)を引き起こすようになることを示しています。パブロフはこの研究により1904年にノーベル生理学・医学賞を受賞し、心理学や行動科学の発展に大きく貢献しました。現代でも学習理論や教育、マーケティングなど幅広い分野でこの原理が応用されています。
Q. 本来は外敵から体を守るはずの免疫系が、誤って自分自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまうことで発症する疾患の総称を何というでしょうか?
A. 自己免疫疾患
(じこめんえきしっかん)
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自己免疫疾患とは、免疫系が「自己」と「非自己」を正しく識別(しきべつ)できなくなり、自分の体の正常な細胞や組織を攻撃してしまう病気の総称です。本来、免疫系は細菌やウイルスなどの外敵から体を守る役割を持っていますが、この機能に異常が生じると自分自身を敵とみなしてしまいます。代表的な疾患として、関節を攻撃する関節リウマチ、甲状腺(こうじょうせん)を攻撃する橋本病やバセドウ病、膵臓(すいぞう)のβ細胞を攻撃する1型糖尿病、全身の臓器に影響する全身性エリテマトーデスなどがあります。発症原因は遺伝的要因と環境要因が複雑に関与(かんよ)していると考えられており、完治は難しいものの、免疫抑制剤(よくせいざい)や生物学的製剤などの治療法の進歩により、症状のコントロールが可能になってきています。
Q. 2025年のノーベル生理学・医学賞を大阪大学の坂口志文特任教授らが受賞した、免疫系の過剰な反応を抑制し、自己免疫疾患やアレルギーを防ぐ役割を持つT細胞のサブセットを何というでしょうか?
A. 制御性T細胞
(せいぎょせいTさいぼう)
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制御性T細胞(Regulatory T cell、Treg)は、免疫系の「ブレーキ役」として機能する特殊なT細胞です。他の免疫細胞の過剰な活性化を抑制することで、自分の体を誤って攻撃する自己免疫疾患や、花粉症などのアレルギー反応を防いでいます。表面にCD4とCD25というマーカーを持ち、転写因子Foxp3を発現することが特徴です。大阪大学の坂口志文特任教授らがこの細胞を発見し、その功績により2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。この発見は自己免疫疾患の治療法開発やがん免疫療法の発展に大きく貢献しています。免疫バランスの維持に不可欠な細胞です。
Q. 最大体長約16cmに達し、世界最大のヘラクレスオオカブトに次ぐ大きさを誇る、ローマ神話の海の神ネプトゥヌスの名前を冠した、南米アンデス山脈の高地に生息するカブトムシは何でしょう?
A. ネプチューンオオカブト
(ネプチューンオオカブト)
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ネプチューンオオカブト(Dynastes neptanus)は、南米のコロンビア、エクアドル、ペルーなどアンデス山脈の標高1500〜3000m付近の雲霧林に生息する大型のカブトムシです。最大体長は約16cmに達し、世界最大のヘラクレスオオカブト(最大18cm)に次ぐ大きさを誇ります。名前の由来はローマ神話の海神ネプトゥヌス(英語名ネプチューン)で、ギリシャ神話のポセイドンに相当します。ヘラクレスオオカブトと同じダイナステス属に分類され、黒色の上翅と長い二股の角が特徴的です。高地性の種であるため飼育温度管理が難しく、ヘラクレスオオカブトほど一般的ではありません。生息地が限定的で個体数も少ないため、近年は生息環境の変化による保全も課題となっています。学名の「neptanus」も同じくネプトゥヌスに由来しています。