制御性T細胞(Regulatory T cell、Treg)は、免疫系の「ブレーキ役」として機能する特殊なT細胞です。他の免疫細胞の過剰な活性化を抑制することで、自分の体を誤って攻撃する自己免疫疾患や、花粉症などのアレルギー反応を防いでいます。表面にCD4とCD25というマーカーを持ち、転写因子Foxp3を発現することが特徴です。大阪大学の坂口志文特任教授らがこの細胞を発見し、その功績により2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。この発見は自己免疫疾患の治療法開発やがん免疫療法の発展に大きく貢献しています。免疫バランスの維持に不可欠な細胞です。