解説
GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)は、アメリカ国防総省が開発・運用する衛星測位システムです。1973年に軍事目的で開発が始まり、1995年に24基の衛星による運用が開始されました。当初は軍事利用に限定されていましたが、2000年に民間向けの精度制限が解除され、現在では世界中で広く利用されています。
GPSは地球周回軌道上の人工衛星から発信される電波を受信し、複数の衛星との距離を計算することで、地球上の位置(緯度・経度・高度)を特定します。最低4基の衛星からの信号があれば正確な位置情報が得られ、誤差は数メートル程度です。
現在ではカーナビゲーション、スマートフォンの地図アプリ、航空機や船舶の航法、災害救助、測量など、あらゆる分野で不可欠な技術となっています。なお、ロシアの「GLONASS」、EUの「Galileo」、中国の「北斗」など、他国も独自の衛星測位システムを運用しています。