解説
独立の法則(または独立遺伝の法則)は、1865年にオーストリアの修道士グレゴール・メンデルによって発見されました。この法則は、異なる形質を決定する遺伝子が互いに独立して次世代に伝わることを示しています。メンデルはエンドウマメの種子の形(丸orしわ)と色(黄or緑)という2つの形質を同時に追跡し、これらが互いに影響せず独立して遺伝することを発見しました。具体的には、雑種第二代(F2)で9:3:3:1の分離比が現れることを確認しました。ただし、この法則が成立するのは遺伝子が異なる染色体上にある場合、または同じ染色体上でも十分離れている場合に限られます。連鎖している遺伝子では独立の法則は成立せず、これは後のトーマス・モーガンの研究で明らかになりました。メンデルの業績は当時は注目されませんでしたが、1900年に再発見され、遺伝学の基礎となりました。