解説
狼狽は「ろうばい」と読み、突然の出来事に驚き慌てて落ち着きを失う様子を表す言葉です。この言葉の由来は中国の伝説上の動物に関係しています。「狼」と「狽」はそれぞれ異なる獣を指し、狽は前足が極端に短く後ろ足が長い想像上の生き物とされていました。このため狽は単独では歩けず、常に狼の前足に自分の後ろ足を乗せて協力して移動していたという伝説があります。もし二匹が離れ離れになると、どちらも正常に動けずパニック状態に陥るとされ、これが「狼狽」という言葉の語源となりました。日本語では「狼狽える(うろたえる)」という動詞形でも使われ、文学作品や日常会話で広く用いられています。類義語には「周章狼狽(しゅうしょうろうばい)」という四字熟語もあり、より強調した表現として使われます。