解説
ワーク・ライフ・バランス(Work-Life Balance)は、仕事と私生活の双方を充実させ、調和のとれた生活を実現しようという考え方です。この概念は1980年代にイギリスで提唱され、長時間労働による心身の健康問題や家庭生活の犠牲が社会問題化したことを背景に広まりました。日本では2007年に政府が「仕事と生活の調和憲章」を策定し、少子高齢化や労働力人口減少への対応策として推進されてきました。具体的な取り組みとしては、フレックスタイム制度、テレワーク、時短勤務、育児・介護休業制度の充実などがあります。近年では単なる時間配分の問題ではなく、仕事の質と生活の質の両方を高めることが重視され、「ワーク・ライフ・インテグレーション(統合)」という新しい考え方も登場しています。企業にとっても従業員の生産性向上や離職率低下につながるため、経営戦略の一環として取り組まれています。