320年頃にチャンドラグプタ1世が創始し、パータリプトラを首都として約2世紀にわたって繁栄した北インドの統一王朝で、仏教美術やサンスクリット文学が発展しインド古典文化の黄金時代を築いた王朝は何でしょう?
グプタ朝
読み: グプタ
グプタ朝は320年頃から550年頃まで北インドを支配した王朝で、インド史上最も文化的に繁栄した時代として知られています。特に第3代チャンドラグプタ2世の治世(在位380年頃~415年頃)に最盛期を迎え、ヒンドゥー教が国教として確立される一方で、仏教や美術も保護されました。この時代にはアジャンター石窟寺院の壁画やグプタ様式と呼ばれる優美な仏像彫刻が制作され、後の東南アジア美術に大きな影響を与えました。文学ではカーリダーサが『シャクンタラー』などの戯曲を著し、サンスクリット文学の最高峰とされています。また数学や天文学も発達し、ゼロの概念や十進法が確立され、後にアラビアを経由してヨーロッパへ伝わりました。この時代の文化的遺産は「グプタ・ルネサンス」とも称され、インド文明の精華を象徴しています。