解説
液状化現象とは、地震の振動により地盤中の砂粒子の結合が崩れ、砂粒子間の水圧が急激に上昇することで地盤全体が液体のようになる現象です。「クイックサンド現象」や「噴砂現象」とも呼ばれます。通常、砂粒子は互いに接触して地盤を支えていますが、地震の揺れで砂粒子が浮遊状態になると、地盤は支持力を失います。日本では1964年の新潟地震で大規模な液状化が発生し、建物が傾く被害が注目されました。2011年の東日本大震災では東京湾岸の埋立地で広範囲に液状化が発生し、道路の陥没やマンホールの浮上などの被害が生じました。この現象は特に海岸の埋立地や河川の旧河道など、緩い砂質土と地下水が存在する場所で起こりやすく、都市の防災計画において重要な課題となっています。対策として地盤改良工事や建物の基礎強化などが行われています。