解説
ドラジェは、アーモンドなどのナッツやドライフルーツの周りを砂糖やチョコレートでコーティングしたフランス発祥の砂糖菓子です。フランス語で「糖衣錠」を意味し、古代ローマ時代から薬を飲みやすくするために糖衣でコーティングする技術が起源とされています。
中世ヨーロッパでは、砂糖が貴重品だったため、ドラジェは富裕層の祝い事で振る舞われる高級菓子でした。特にフランスでは、結婚式や洗礼式、出産祝いなどで、幸福と繁栄の象徴として配られる伝統があります。結婚式では奇数個(通常5個)を小袋に入れて配るのが慣習です。
日本でも近年、結婚式のプチギフトとして人気が高まっています。カラフルな色付けがされたものも多く、見た目の美しさから「ボンボニエール」という専用の小箱に入れて贈られることもあります。現代では製薬業界でも「糖衣錠」をドラジェと呼ぶことがあり、この菓子がその原型となっています。