解説
またぎとは、東北地方の山岳地帯、特に秋田県や青森県の白神山地・奥羽山脈周辺で、古くから狩猟を生業としてきた伝統的な狩人集団のことです。漢字では「マタギ」や「又鬼」と表記されることもあります。主にツキノワグマやニホンカモシカなどの大型獣を狩り、独自の狩猟技術や山の知識、言葉(マタギ言葉)、信仰を受け継いできました。厳しい掟や山の神への信仰を持ち、自然との共生を重んじる文化を形成しています。近年は狩猟人口の減少や生活様式の変化により伝統の継承が課題となっていますが、日本の山岳文化や民俗学の重要な研究対象として注目されています。