解説
渋沢栄一は、2024年7月から発行された新一万円札の肖像に採用された、「日本資本主義の父」と称される実業家です。埼玉県深谷市出身の渋沢は、幕末に徳川慶喜に仕え、明治維新後は大蔵省で近代的財政制度の確立に貢献しました。その後実業界に転じ、第一国立銀行(現みずほ銀行)をはじめ、東京ガス、帝国ホテル、東京証券取引所、王子製紙など約500社もの企業設立に関わりました。また、教育・医療・福祉分野でも約600の社会事業に携わり、一橋大学や東京女学館などの設立にも尽力しています。著書『論語と算盤』では、道徳と経済の両立を説き、「道徳経済合一説」を唱えました。91歳で没するまで日本の近代化に多大な貢献をした人物として、今日でも高く評価されています。