解説
ゴボウは漢字で「牛蒡」と書き、カタツムリは「蝸牛」と表記します。いずれにも「牛」の字が含まれているのが答えです。
「牛蒡」の由来は、ゴボウの根が牛の尾に似ていることから来ているとされ、「蒡」は草冠に旁が「房」で、房状に広がる様子を表しています。中国から伝来した際の漢字表記がそのまま日本でも使われています。
一方「蝸牛」は、虫偏に「蝸」(カ)と書き、殻を背負って歩く姿が牛のようにゆっくりしていることに由来します。別名「でんでん虫」「まいまい」とも呼ばれますが、漢字では「蝸牛」が正式です。
このように、直接その動物とは関係のない生物の名前に「牛」の字が使われているのは、形状や動作の特徴を表現するための比喩的な命名法によるものです。漢字の成り立ちには、こうした観察眼に基づく表現が数多く見られます。